• 代表・奥山

ジビエ時評 (9) 「ローカルジビエ」 の時代へ

「食」は「自然景観」「民俗文化」とともに観光の三要素をなす。

中でも地元食材を使った特色ある料理は不可欠とさえ言える。


各地さまざまな郷土料理があり、北海道の「石狩鍋」(鮭の味噌仕立て)、山形の「いも炊き」(里芋・椎茸)、徳島の「そば米雑炊」(蕎麦・山菜)が知られているが、兵庫県丹波篠山市の「ぼたん鍋」(イノシシの味噌仕立て鍋)は抜群の知名度を誇っている。


ジビエ料理は本来ローカルなものだ。同じ鳥獣でも土地や気候によって味わいが異なる。その妙こそがジビエの醍醐味と知れる。


いま、各地でさまざまなこころみがつづいている。



(1)対馬御膳。対馬市学校給食研究会。島で捕獲されたシカやイノシシを使った「ジビエ肉団子」を「ろくべえ汁」(デンプン麺を使った伝統料理)に入れる。(長崎新聞)


(2)ジビエラーメン。熊本県内5校の高校生26人が参加する「ジビエ商品開発プロジェクト」が開発した。(熊本日日新聞)


(3)丹沢ジビエ。秦野商工会議所は、丹沢山地で被害を拡大しているイノシシやシカを新たな観光資源とすることを提唱。


(4)いのミートのパスタソース。米子南高校家庭学科環境文化コース3年生の前田京香さんらは、大山町で獲れたイノシシ肉を使ったレトルト商品を開発した。ほかに「イノシシ肉の炊き込みご飯の素」もある。(日本海新聞)


(5)クマ肉を特産品に。秋田県仙北市の田沢湖猟友会は、捕獲したツキノワグマやシカの肉を商品化するための食肉処理加工施設を完成させた。(秋田新聞)


(6)春野の鹿鍋。静岡文化芸術大学二本松ゼミ。浜松市天竜区春野町で捕獲されたシカ肉に、地元産のダイコンやゴボウなどの具材をふんだんに加えた鍋料理。(中日新聞) 



(2019年11月)

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