• 代表・奥山

ジビエ時評 (8) 女性がやればずんずん進む「獣害対策」

集落の獣害対策会に出てくるのはたいてい男性で、獣害の話は補助金のことと初めから決めてかかっているかのようである。

獣害対策は先入観のかたまりであり、それが固いほど進まない。その先入観をさっさと捨ててしまい新しいことをやってみようと決断するのは女性のほうが得意である。


そもそも「捕獲さえすれば獣害は減らせる」という考え自体が先入観の最たるものだ。

タヌキやイノシシやシカの身になって考えてみよう。人間は、スイカやイネやミカンを用意し、訪ねる通路まで準備してくれるありがたい存在である。


人間の立場に戻ると、訪問を断念させるには「餌」を用意せず、「ひそみ場」を準備しないこと、これにつきる。

大げさに考えず、自分の田畑や集落で、無理せず、できることから、仲間とともに実行する――じつに簡単なことである。


むろんいくつかの知識や要領はいるが、例えば本稿の見出しに借用している『女性がやればずんずん進む獣害対策』(井上雅央著 農文協)を読めば、基礎の基礎を学ぶことができる。


本著は美郷町の女性(母ちゃん)たちがモデルになっている。つまり具体的かつ実際的である。

重要なのは、「獣害対策」の先に実現した「地域の元気」である。それは、女性たちの間に自然にできた「楽しい仲間づきあい」に始まった。田畑も集会も、「行くのが楽しい」が原点となる。



日常会話の中から、学校給食の献立、惣菜加工、ペットフード製造、皮革クラフト、缶詰製造などのアイデイアが誕生した。


こんにち美郷町は視察・見学者でにぎわう観光の町でもある。

(2019年10月)

5回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示

ジビエ時評(13) ジビエンヌ (gibienne)

女性と男性の感性が異なるのは当然だ。 ただ、その受け止め方にはズレがある。女性のばあい、乙女チックな過剰表現が誤解を招いている。 「怖-い」「キモチわる-い」「かた-い」「クサ-い」などと、いかに自分がか弱くデリケートであるかのごとく反射的に叫ぶのだが、だまされてはいけない。本性はそんなヤワでない。命を預かり守るのが使命であるいじょう当然ではあろうが・・。 「狩りガール」という言葉が使われだしたの

ジビエ時評 (12) カラスを食べる・・・

講演ではどうしてもシカ・イノシシが主役になる。 ひととおり終えたあとの質疑で「カラスは何とかならないか」と問われたことがあった。 平成30年度の鳥獣害被害実績調査によると、 愛媛県では、1位=イノシシ約2億3千万円、2位=カラス約4千9百万円、3位=ヒヨドリ約4千万円、 高知県では、1位=イノシシ約4千9百万円、2位=シカ約3千6百万円、3位=サル約1千6百万円、4位=カラス約1千万円となっている

ジビエ時評 (11) ジビエの「風味」について

「硬くてクサい」 昨今のジビエのことではない。150年ほど前、幕末の牛肉についての評価である。それが、10年そこそこ明治の初めには牛鍋ブームが起きている。この場合、西欧文化への憧憬があったであろう。 50年ほど前、ヨーグルトは当時牛乳を腐らせたクサい飲み物と敬遠されていた。それもいつしか忘れられて今日に至っている。この場合、「美容健康・不老長寿」が人々を動かしたのであろう。 3年ほど前から「マタギ