• 代表・奥山

ジビエ時評 (5) ハクビシンも訴える 「ジビエの課題」

7月29日午前0時ごろ、愛媛県松山市の中心商店街大街道のリサイクルショップの店内で物音がすると110番通報があった。警察官10人が出動し店内を捜索したところ、商品陳列棚の上にいたハクビシンを見つけ、毛布で取り押さえて逮捕した。


ハクビシンは体長約40センチ、建物6階の小窓から侵入したものとみられている。連行された東警察署でミニトマトなど与えられたあと松山猟友会に引き渡された。


猟友会は市内の高縄山山中で保釈したという。??????


ハクビシン(白鼻芯)はジャコウネコ科の哺乳類で、額から鼻にかけての白い模様に特徴がある。もともと中国大陸の南部からマレーシアにかけて生息していたものが、一説によると、明治の陸軍が防寒用毛皮を採るため愛媛で飼育し始めたが中止となり、山野に放棄され棲みついたという。その後本州各地にも拡散した。


雑食性で、昆虫・小動物やその卵、野菜などを好むが、ことに果実を大好物としている。ミカン王国愛媛は天国だっただろう。


ハクビシンによる農産物被害は、例えば原産地 (?) の愛媛県で23,299千円と、全被害額407,800千円の5.7%にのぼっている。


ただ、このばあい数字は問題でない。知人のナス専業農家は収穫直前に全滅に近い被害をこうむり、そのまま廃業してしまった。「復旧にかかる費用」がないため被害金額に計上されない。


 現実に被害があるいじょう、積極的に捕獲して食用に活用する途を拓くべきはシカ・イノシシと変わらない。中国料理では貴重な食材であり、実際、いくらでも買い取りますというオファーがきている。


ジビエをめぐるさまざまな取り組みの意義を、この小さな動物が期せずして示してくれた。        

(2019年8月)

5回の閲覧0件のコメント

最新記事

すべて表示

ジビエ時評(13) ジビエンヌ (gibienne)

女性と男性の感性が異なるのは当然だ。 ただ、その受け止め方にはズレがある。女性のばあい、乙女チックな過剰表現が誤解を招いている。 「怖-い」「キモチわる-い」「かた-い」「クサ-い」などと、いかに自分がか弱くデリケートであるかのごとく反射的に叫ぶのだが、だまされてはいけない。本性はそんなヤワでない。命を預かり守るのが使命であるいじょう当然ではあろうが・・。 「狩りガール」という言葉が使われだしたの

ジビエ時評 (12) カラスを食べる・・・

講演ではどうしてもシカ・イノシシが主役になる。 ひととおり終えたあとの質疑で「カラスは何とかならないか」と問われたことがあった。 平成30年度の鳥獣害被害実績調査によると、 愛媛県では、1位=イノシシ約2億3千万円、2位=カラス約4千9百万円、3位=ヒヨドリ約4千万円、 高知県では、1位=イノシシ約4千9百万円、2位=シカ約3千6百万円、3位=サル約1千6百万円、4位=カラス約1千万円となっている

ジビエ時評 (11) ジビエの「風味」について

「硬くてクサい」 昨今のジビエのことではない。150年ほど前、幕末の牛肉についての評価である。それが、10年そこそこ明治の初めには牛鍋ブームが起きている。この場合、西欧文化への憧憬があったであろう。 50年ほど前、ヨーグルトは当時牛乳を腐らせたクサい飲み物と敬遠されていた。それもいつしか忘れられて今日に至っている。この場合、「美容健康・不老長寿」が人々を動かしたのであろう。 3年ほど前から「マタギ